株式会社ヒーリングソリューションズ

Column / コラム

これは、株式会社ヒーリングソリューションズ代表・水野博文の個人的な制作記録です。

いま、1MyMe(いちまいめ)というサービスを育てている。

自分の言葉や画像から、1枚引き、オラクルカード、タロットメッセージのようなカードをつくり、公開できる場所だ。カードを引く人にとっては、ある一枚の言葉と出会う体験になる。つくる人にとっては、自分が大切にしてきた言葉や世界観を、誰かの手元に届ける方法になる。

説明だけを聞くと、占いのサービスに見えるかもしれない。もちろん、オラクルカードやタロットが好きな人にも使ってほしい。でも、僕がつくりたいのは「占いをオンラインにすること」だけではない。

深い藍色の机の上に置かれた、一枚のオラクルカードと手
1MyMeで、一枚のカードを引く前の静かな時間をイメージしたビジュアル。

一枚の言葉には、読む順番がある

同じ文章でも、タイムラインで流れてきたときと、自分で一枚を選んだあとに出会ったときでは、受け取り方が違う。

カードを引く前には、少しだけ立ち止まる時間がある。今日は何を考えたいのか。いま抱えている迷いは何なのか。画面の向こうにある一枚を、自分のために選ぶ。その小さな行為があるから、短い言葉にも余白が生まれる。

カードが未来を決めるとは思っていない。まして、誰かの人生に正解を与えるものでもない。ただ、自分の中にすでにある気持ちを見つけるきっかけにはなれると思う。

「今日は休んでもいい」「少しだけ連絡してみよう」「本当は、こうしたかったのかもしれない」。カードに書かれた言葉そのものより、それを読んだ人が自分の状況に重ねる時間のほうが大切だ。

つくる人の世界観を、型にはめたくない

カードをつくる人には、それぞれの言葉がある。セラピーや対話の中で育ててきた言葉。長く続けてきた仕事の中で見つけた言葉。絵を描く人が、絵に添えたい言葉。誰かを励ますために、ノートに書きためてきた言葉。

けれど、それを届ける方法は案外少ない。SNSに投稿すれば流れていく。長い文章にすれば、読むための時間がいる。本にするには、まとまった準備と決意がいる。

その間に、もっと小さく、でも丁寧に手渡せる形があってもいいと思った。それが一枚のカードだ。

1MyMeでは、画像がなくても言葉から始められる。カードの枚数、引かせ方、公開の仕方、世界観の見え方を、自分の作品に合わせて整えていく。大切なのは、立派な占い師のように見せることではない。その人が持っている言葉の温度を、借り物にせずに届けることだ。

カードはゴールではなく、関係の入口になる

一枚引いてもらうこと自体が目的ではない。引いた人が「この人は、こんな言葉を大切にしているんだ」と知る。そこから作品を見てもらう、イベントに来てもらう、もう一度言葉を受け取ってもらう。小さな関係が、無理のない形で続いていく。

だから、1MyMeではカードをつくる画面だけでなく、引く時間そのものを大切にしたいと思っている。どんなふうに現れるか。誰が、どれくらいの頻度で引けるか。引いたあとに、どんな余韻が残るか。管理画面で数値だけを設定するのではなく、作品の世界観を育てるアトリエのような場所にしたい。

AIも、そのための補助として使えるかもしれない。カードをたくさん作るとき、構成を整理したり、下書きをつくったりする手助けはできる。でも、最後にカードに残す言葉は、つくる人自身のものだ。AIが言葉を量産するためではなく、その人が自分の言葉に向き合う時間を増やすために使いたい。

答えではなく、対話を残したい

僕は、強い言葉で人を動かすサービスをつくりたいわけではない。引いた一枚をきっかけに、「自分はどう思うだろう」と考えられる。つくった人にも、引いた人にも、その余白が残るものにしたい。

1MyMeは、まだ育てている途中だ。使い方も、つくる人と引く人の関係も、これからたくさん学ぶ必要がある。それでも、一枚の言葉をきっかけに、誰かが自分の気持ちへ戻れるなら。誰かが長く大切にしてきた言葉を、ちゃんと必要な人へ手渡せるなら。このサービスをつくる意味はあると思っている。

まずは、一枚から始めてみてほしい。1MyMeを見る