これは、株式会社ヒーリングソリューションズ代表・水野博文の個人的な制作記録です。
僕たちは、できるだけ黒子でありたいと思っている。
ホームページが公開されたときに、目立つのはお客様の会社であってほしい。商品が売れたなら、その商品をつくった人が評価されてほしい。相談を受けたときも、「ヒーリングソリューションズがすごい」と言われるより、「この会社に頼んでよかった」と思ってもらえたほうがうれしい。
だから、制作実績を大きな声で並べることには、少し照れがある。お客様の成果は、こちらの手柄ではない。こちらが関わったのは、その方がもともと持っていた良さや、積み重ねてきた時間を、見えやすくする一部にすぎない。
黒子でいることと、黙っていることは違う
ただ、長く仕事をしていると、黙っているだけでは伝わらないこともあると感じる。
どんなときに、何を大切にしているのか。AIをどう使うのか。なぜWordPressなのか。小さな事業の方から相談を受けたとき、何を最初に見るのか。つくって終わりではなく、なぜ運用まで気にするのか。
それが見えなければ、初めての人にとっては、相談してよい会社かどうかもわからない。実績の数やきれいな画面だけでは、仕事の相性までは伝わらない。
自分たちを大きく見せるためではなく、仕事の前提を共有するために言葉を残す。最近は、それも黒子の仕事の一部なのだと思うようになった。
お客様の物語を、借りない
実績を書くときに、いつも気をつけたいことがある。お客様の成果を、自分たちの物語にしすぎないことだ。
そのお店や会社が積み重ねてきた時間は、こちらのものではない。うまくいったときに、僕たちが「成功させた」と言ってしまうのは、少し違う気がする。僕たちは、そこに少し関わらせてもらっただけだ。
もちろん、制作の工夫や技術について共有できることはある。守秘義務や相手の事情を大切にしながら、許可をいただいた範囲で事例にすることもある。でも、そのときも中心に置くのはお客様の言葉でありたい。
この制作ノートでは、成果を誇るよりも、僕たちがどう考え、どういう仕組みをつくろうとしているのかを書きたい。技術そのものより、その技術をどんな距離で使うのか。そこを残したい。
言葉は、相談の入口になる
「うちも、同じことで困っているかもしれない」と感じた人が、問い合わせの前に読める文章がある。それだけで、最初の会話は少し変わる。
何を売りたいかではなく、何を大切にしているか。完成したサービスの話だけでなく、そこに至るまでの考え方。たとえば、AIを導入するときも、便利さだけでなく、人が最後に確認できることを大切にしていると伝われば、その前提を共有した状態で話を始められる。
その文章は、問い合わせを増やすためだけのものではない。お互いに無理のない仕事を始めるための、最初の確認でもある。
静かな自己紹介として
僕たちは、前に出たいわけではない。でも、何も言わなければ、どんな人たちなのかも伝わらない。
だから、制作ノートに言葉を残す。黒子であることをやめるためではなく、同じ景色を見ながら仕事を始めるために。
それは、声高な宣伝ではなく、静かな自己紹介なのだと思う。