株式会社ヒーリングソリューションズ

Column / コラム

これは、株式会社ヒーリングソリューションズ代表・水野博文の個人的な制作記録です。

「社長ブログ」という言葉に、少しだけ距離を感じている。

そこには、経営論や成功談、会社のお知らせが並ぶイメージがある。何期連続で成長したとか、こんな学びがありましたとか、休日にこんな場所へ行きましたとか。もちろん、そういう文章が必要な場面もあるし、読むのが好きな人もいると思う。

でも、今の僕が残したいのは、それだけではない。

今日つくっていた画面のこと。お客様との会話で、言葉にできなかった違和感。AIを使ってみて便利だったことと、逆に人が残らなければと思ったこと。まだ名前のない企画のこと。うまく説明できないけれど、なぜか気になっていること。

それは「社長としての発信」というより、つくっている人の記録に近い。

完成してから書くと、きれいになりすぎる

完成したプロダクトには、説明しやすい言葉がつく。何ができるか。誰の役に立つか。どんな価格か。どんな導入効果があったか。もちろん大切な情報だし、事業ページではきちんと伝えるべきことだ。

でも、完成してから振り返ると、途中にあった迷いは見えなくなる。「最初からこの答えを知っていた」ように見えてしまう。

実際は、そんなことはほとんどない。小さく試して、違ったら戻る。お客様の反応を見て、つくり直す。自分たちで使ってみて、やっと意味がわかる。機能を増やすより、むしろ一つ外したほうが使いやすくなることもある。

そういう遠回りの中に、次の仕事のヒントがある。完成したページには載らないけれど、つくる人にとっては大切な部分だ。

会社の言葉と、個人の言葉を混ぜない

公式サイトに書くからといって、すべてを会社の正式見解にする必要はないと思っている。

会社として伝えるべきことは、事業ページやお知らせに、きちんと整えて載せる。価格、仕様、受付状況、契約に関わること。そこは曖昧にしてはいけない。

一方で制作ノートには、「今のところ、こう考えている」という個人の言葉を置く。これから変わるかもしれない仮説や、まだ結論の出ていない迷いも書く。その区別があるから、きれいに言い切れないことも残せる。

会社の信用を積み上げるために、代表が無難なことだけを書くのではなく、何を大切にしている人なのかが少し見える。そのほうが、相談するときにも安心してもらえる気がしている。

日記ではなく、制作の記録にする

個人的な文章を書くなら、日記でもいいのかもしれない。けれど、制作ノートには一つだけ基準を持ちたい。それは、読んだ人が仕事や活動に持ち帰れる何かがあるか、ということだ。

答えを教える記事ばかりにする必要はない。「自分も同じところで止まっていた」と思ってもらえるだけでもいい。あるいは、「完成前のものを見せるのもありかもしれない」と感じてもらえるだけでもいい。

僕自身が、制作の途中で考えたことを見失わないため。そして、同じように何かをつくっている人が、少しだけ孤立しないため。その両方の役割を持たせたい。

つくる途中に、読者を招く

この場所では、いつも結論を出すつもりはない。ときには「まだわからない」と書くこともあると思う。完成度の高い発表ではなく、作業台の上にあるものを少し見せるような文章になるかもしれない。

でも、その途中を読んでくれた人が、「この人は、こういう問いを持って仕事をしているんだ」と感じてくれたらうれしい。プロダクトの説明より先に、そこが伝わることがあると思うからだ。

だから、社長ブログではなく、制作ノート。完成したものを見せるだけでなく、つくっている途中に人を招くための名前にした。