株式会社ヒーリングソリューションズ

Column / コラム

これは、株式会社ヒーリングソリューションズ代表・水野博文の個人的な制作記録です。

Facebookは、知っている人に見られている感じがする。そのわりに、何を書けばいいのか迷う。

LinkedInは仕事の話をするにはきれいすぎる。まだ形になっていないものや、途中にある迷いを書くには、少し背筋が伸びる。

Instagramは写真が主役になり、Threadsでは会話が流れていく。どこかに「ちょうどいい発信場所」があるのではないかと思って、しばらく探していた。

これは、媒体の優劣の話ではない。どのSNSにも、得意な役割がある。問題は、そこを自分の活動すべてを置く本拠地にしようとしたことだったのかもしれない。

SNSは悪くない。でも、本拠地にはしにくい

SNSには、人と出会う力がある。短い気づきを置いたら誰かが返事をくれる。制作中の画面を一枚出したら、その場で反応が返ってくる。思いがけない人が読んでくれることもある。

だから、これからも使うと思う。短い問いはThreadsへ。画面や本、撮影の風景はInstagramへ。法人の方に役立ちそうな整理はLinkedInへ。友人や昔からのつながりに近況を伝えたいときはFacebookへ。それぞれに向いていることがある。

ただ、そこで書いたことは少しずつ流れていく。数か月前に考えていたことを、自分でも探し出せなくなる。投稿は読まれた瞬間には意味があっても、あとから誰かが読み返せる形にはなりにくい。

そして、プロダクトごとに発信を始めると、それぞれに別の人格を用意しなければならないような気がしてくる。Chariootの口調、Prongaの口調、写真のサービスの口調。考えれば考えるほど、発信するための準備が増えていく。

それが、だんだん苦しくなってきた。

残したいのは、完成品の説明だけではない

僕たちがつくっているものには、それぞれ名前がある。Charioot、Pronga、L-Press、Pixmile。けれど、それらは別々の人格ではない。現場で出会った困りごとに対して、その都度「こんな形なら少し楽になるかもしれない」と考えた結果だ。

だから、サービスの機能説明だけでは残らないものがある。なぜそれをつくろうと思ったのか。どこで迷ったのか。途中でやめたことは何だったのか。誰かとの会話で、方向が変わったことはなかったか。

たとえばAIを使った発信の仕組みをつくるときも、「自動で投稿できる」ことだけを書いてしまうと、大事なことが抜け落ちる。人が最後に自分の言葉を入れられること。見直せること。止められること。続けられること。そういう細部にこそ、その仕組みをつくる理由がある。

完成した答えの前には、いつも、まだ言葉になっていない問いがある。その問いごと残しておきたいと思った。

自分のサイトは、言葉の帰る場所になる

SNSで書いた一言も、音声で話した数分も、最終的には自分のサイトに戻ってこられるといい。少し整え、見出しをつけ、前後の文脈を足して、あとから読み返せる形にする。

そうすると、記事は単なる告知ではなくなる。次に会った人との会話の入口になり、プロダクトの背景になり、数年後の自分が「この頃はこういうことに悩んでいた」と確かめられる記録にもなる。

これは検索のためだけではない。もちろん、独自の文章が蓄積されれば、検索やAIにとっても、その会社が何をしているのかを理解しやすくなる。でも僕がいちばん大切にしたいのは、言葉が流されずに残ることだ。

外の場所で話し、自分の場所に残す。その行き来があれば、SNSに振り回されずに済む気がしている。

ここを、制作の本拠地にする

この制作ノートは、会社の正式発表だけを並べる場所ではない。代表として、つくる人として、まだ答えが出ていない問いと一緒に記録していく場所だ。

毎週必ず立派な結論を書くつもりはない。短いこともあるし、画面の途中経過だけの日もあると思う。でも、そこで書いたものが少しずつ積み上がれば、僕たちのプロダクトがどこから来たのかが見えるようになるはずだ。

「何を発信するか」を考える前に、「どこに残したいか」を決める。まずは、そこから始めてみようと思う。