これは、株式会社ヒーリングソリューションズ代表・水野博文の個人的な制作記録です。
プロダクトが増えると、説明が難しくなる。
ChariootはAIチャットと記事づくりの仕組み。Prongaは、答えるだけでWordPressを直していけるようにする試み。Pixmileは写真を渡す体験を整えるもの。L-Pressは、公式LINEに会話を取り戻すためのもの。
並べると、ずいぶん違うものをつくっているように見える。扱う技術も、向き合っている現場も違う。だから、それぞれをひとつのブランドとして強く育てたほうがいいのではないか、と考えたこともある。
実際、プロダクトごとに専用サイトをつくり、専用のSNSを持ち、別の見せ方をするほうがわかりやすい場面はある。
でも、根っこにある問いは同じ
ただ、つくっている途中で何度も戻ってくる問いがある。
人が、自分らしく動ける状態を、どうつくれるだろう。
ホームページなら、「更新できない」「言葉にできない」「相談していいのかわからない」を減らす。写真なら、「渡しにくい」「見返しにくい」を減らす。AIなら、「使いこなせる人だけが得をする」を減らす。
入口は違っても、誰かの小さな詰まりをほどくことをやっている。だから、プロダクトが増えても、僕の中ではバラバラではない。
プロダクト名は、問いに対する一つの答えの名前だ。答えはその時点の技術や現場によって変わる。でも、問いは簡単には変わらない。その順番で見ると、いくつものサービスが少しつながって見えてくる。
ブランドを増やすほど、運営者の言葉が薄くなることがある
プロダクトごとに、専用のSNS、専用の口調、専用の発信計画をつくる。それは正しいやり方かもしれない。
でも小さな会社がそれを全部やろうとすると、発信のために人格を増やし続けることになる。何を書くにも、「これはどのブランドの言葉だろう」と考える。今日あった気づきを、どのアカウントから出せばいいのか迷う。
すると、いちばん大事なはずの、つくっている人の体温が薄くなってしまう。整った発信はできても、なぜそれをつくっているのかが見えなくなる。
僕は、全部をひとつにまとめたいわけではない。それぞれのプロダクトには、それぞれの役割があるし、使う人にとっては独立してわかりやすいほうがいい。ただ、どこから生まれたのかは、ひとつの場所に残しておきたい。
制作室という見せ方
だから、ヒーリングソリューションズを「いろいろな事業を持つ会社」というより、ひとつの制作室のように見せていけたらと思っている。
現場で出会う問いがあり、それを誰かと話し、試作し、サービスや仕組みに変えていく。その途中に、ChariootやProngaのような名前がつく。あるときはWebサイトになり、あるときはWordPressのプラグインになり、あるときは写真や映像の届け方になる。
その作り方には、受託と自社開発の境目もあまりない。お客様の現場で見つけたことを、ほかの人にも役立つ形にできないか考える。自社で試したことを、次の制作に戻す。そうやって行き来している。
プロダクトは、今のところの答え
新しいものをつくるとき、名前をつけた瞬間に「これを成功させなければ」と思ってしまうことがある。でも、そう考えると身動きが取りにくくなる。
プロダクトは、僕たちの分身ではない。問いに対する、今のところの答えだ。使われ方が違えば、答えも変えていい。役割を終えたら、次の形に進んでもいい。
そう考えると、少し肩の力が抜ける。複数のものを育てながらも、ひとつの制作室から、同じ方向を見ていればいい。