これは、株式会社ヒーリングソリューションズ代表・水野博文の個人的な制作記録です。
AIで何ができるか、という話は毎日のように流れてくる。
文章が書ける。画像がつくれる。問い合わせに答えられる。調べものが早くなる。サイトを直せる。たしかに、どれもすごい。僕自身も、開発や文章づくりの中で毎日助けられている。
でも、実際に現場で使うときに大切なのは、「できることの数」だけではないと思っている。
その仕組みを使う人が、来月も、半年後も、無理なく続けられるか。自分の言葉を失わずに使えるか。困ったときに、自分で戻れるか。そこまで含めて設計しないと、便利なはずのAIが、新しい負担になる。
自動化すると、発信が続くとは限らない
たとえば、SNSの投稿をAIで自動生成することはできる。毎日決まった時間に投稿することもできる。サイトの記事から要約をつくり、言い回しを変え、複数の媒体に出すこともできる。
けれど、それだけでは「発信が続く」状態にはならない。出ていく文章に自分が納得していなければ、だんだん見なくなる。見なくなれば、違和感が積み重なる。最後は、止めるか、放置するかになる。
実際、発信が止まる理由は「文章を書けない」だけではない。何を書けばいいかわからない。こんなことを書いて大丈夫か不安になる。忙しいと後回しになる。数字ばかり気になって、書くこと自体が重くなる。そこに、ただ文章を量産するAIを置いても、根本は変わらない。
人が最後に読んで、「これは自分が言いたかったことに近い」と思えること。その余白を残すほうが、長い目で見れば大切だと思う。
Chariootで考えていること
Chariootをつくるときも、単に「AIに記事を書かせる」ことを目標にはしたくなかった。
すでにサイトにある文章や、これまで書いてきた記事を読み取り、その人の言葉の蓄積を使って、次の一歩を少し楽にする。訪問者の質問から、次に書くべきことを見つける。人が最後に直して、自分の意図を入れる。
たとえば、サイトに来た人が何度も同じ質問をしているなら、それは「チャットで答えれば終わり」ではない。もしかすると、サイトの説明が足りないのかもしれない。次の記事やページの改善につながるヒントかもしれない。
AIが会話を肩代わりするのではなく、会話から人が次に考えるべきことを見つけられるようにする。僕は、その循環のほうに可能性を感じている。
便利さの前に、戻れること
AIを使った仕組みは、わかりやすく派手な機能をつけたくなる。何秒で文章が出るとか、何件を自動化できるとか。でも、使う人にとって大切なのは、困ったときに戻れることかもしれない。
下書きを残す。変更の理由がわかる。人がいつでも止められる。自分のデータが、どこにあるかわかる。AIの回答をそのまま公開しない。迷ったときに相談できる人がいる。
そういう地味なことがあるから、安心して任せられる。
AIができることを増やしたい。その前に、人が続けられる仕組みをつくりたい。今は、その順番を大切にしている。