株式会社ヒーリングソリューションズ

Column / コラム

「ホームページはもう必要ない」「AIの時代にSEOなんて」——そんな声を、最近よく耳にします。たしかにWebの勢力図は、生成AIの登場で一気に変わりました。それでも私たちは、いまこそ小さな事業にとって、ホームページの価値がむしろ高まっていると考えています。その理由を書きます。

AIは「一般論」に強い。でも「あなた」には答えられない

生成AIは、驚くほど物知りです。「おいしいパンの焼き方」を聞けば、ていねいに教えてくれます。「流行る美容室の接客」も、一般論なら立派な答えが返ってきます。

けれど、こう聞いてみてください。

このお店のパンは、なぜおいしいの?
「いつも通っているあの美容室の田中さんの接客は、なぜ心地いいのか
「あの工務店さんに、なぜ何度もリフォームを頼みたくなるのか」

——AIは、答えられません。AIが得意なのは、大量のデータから導く統計や傾向。ひとりひとりのばらつき、つまり「個性」は、その外側にあるからです。そして、小さな事業の強みは、まさにそのAIの外側にあります。

焼き上がったばかりのパンが並ぶ、小さなパン屋の店頭

毎朝同じ時間に同じ生地をこねても、その日の気温や湿度、職人の手の感覚で少しずつ味は変わります。そのわずかな違いを、常連さんは舌で覚えている。これは、レシピという「一般論」ではなく、その店だけの積み重ねです。AIがどれだけ賢くなっても、この積み重ねだけは代わりに持つことができません。

情報の洪水のなかで、価値が高まるのは「流れないもの」

SNSでは、情報が滝のように流れ落ちていきます。「パン教室やってます」という投稿を見かけても、どこで・いつ・誰が・何を、を知ろうとした頃には、その情報はもう画面のずっと下。以前見つけたはずのページも、探し出せない。ショート動画やリールは、次から次へと指先ひとつで流れていき、1本あたりに向き合う時間は年々短くなっています。

情報が溢れて大洪水になっている時代だからこそ、逆に価値が高まるのは、島や灯台のような小さくて確かなよりどころです。流れていかない、固定された情報発信基地。それが、ホームページだと私たちは考えています。

荒れた海に浮かぶ、小さな岩礁に立つ一基の灯台

灯台は、派手に自己主張はしません。ただ同じ場所に立ち、必要な人が必要なときに見つけられるように、静かに光り続けているだけです。情報の波がどれだけ激しくなっても、灯台自体は流されない。ホームページに求められているのも、まさにこの役割ではないでしょうか。

「正しいこと」はAIが書く。だから、想いと意図が要る

もちろん、時代の変化への対応は必要です。多くの人がスマホで見るので、ページ数を増やすより、1枚で縦にスクロールして伝える「たてながページ」のほうが読まれる。Googleも、独自性のない自動生成コンテンツを評価しなくなっています(E-E-A-T)。

そのうえで、私たちがいちばん大切にしているのは、ここです。

正しいことは、どうせAIが書く時代。
だから「ノウハウを提供します」だけでは弱い。
そのページに、想いがあるか意図があるか

制作をご一緒するとき、私たちがメンバーに必ず伝えるのも、この言葉です。「想いと意図を込めてください」。込めるのは、正直、大変です。でもそれが、AIが大量生成する文章のなかに埋もれないための、たったひとつの方法だと思っています。

落ち着いた雰囲気の、個人経営の理容室の店内

田中さんの接客が心地いい理由を、田中さん自身は言葉にしたことがないかもしれません。でも、それを丁寧に聞き出し、ホームページの言葉として翻訳することはできます。私たちが日々の制作でやっているのは、まさにこの翻訳作業です。

空を見るより、足元を

「このAI、まだ使ってないの?」——そんな広告に急かされて、みんなが空を見上げています。大きな仕事をしている方は、それでいい。けれど「広告費5万円は、高いなぁ」と感じる小さな事業なら、いまは足元を見たほうがいい時代だと、私たちは思います。

あなたのお店にしかない理由。あなたにしか書けない言葉。それを、流れていかない場所に、想いと意図を込めて置いておく。私たちヒーリングソリューションズは、業種を問わず、その「小さな島」づくりに、黒子として伴走してきました。