サロンの集客にとって、キャッチコピーほど大切なものはないと言っても、言い過ぎではないと思います。
なぜなら、そこにはサロンの姿勢や、考え方、思想など、すべてが詰まっているから。
面接官が、初対面でその人のパーソナリティを見抜くように、
お客様は、キャッチコピーの最初の印象で、サロンの個性を本能的に感じ取るのだと思います。
それくらい、重要。
正直、ホームページが検索結果の上位にくるとか、チラシの印刷が安く済ませられるとか、
そんなことよりも遥かに優先度が高いと思うのが、キャッチコピーです。
キャッチコピーを制するサロンは、集客を制する。
僕は、自宅の2階でサロンを経営していました。
しかし・・・・サロンをオープンしてから9ヶ月間、お客様が来ませんでした。
そりゃぁ、男の人がひっそりやっている、自宅サロン。
超行きにくいですよね・・・(汗)
毎日外を見ながら、お客様を待ち続ける日々。
「客、こねぇかなぁ〜。
よし、ハンティングだ。」
「お客サーン、サロンやってますよー。
怪しくないですよー、癒されませんかー?」
「くそぅ。こんなに癒してあげる気が満々なのに、なんで誰も振り向かねぇんだ。
そうか、見る目が無い客が悪いんだな。そうに決まってる」
「ここは、どこだ・・・?
9ヶ月間さまよって、こんなところまで来ちまった・・・。」
「・・・そうか。
悪いのは、お客様じゃなくて・・・僕の伝え方だ」
そう気づくまで、9ヶ月間かかりました。
何枚もチラシを作って、何時間もポスティングして。
「反応が無い」ということが、唯一の反応でした。
そこで、ビジネススクールに通って、根本的な姿勢を見直しました。
多くのことを勉強しましたが、
その中でも、「これが重要」と思ったのが、キャッチコピーの作り方。
実際にその後、文章をすべて見直したチラシを配布します。
それまで売上げ0円だったサロンが、
お客様へのメッセージの投げかけ方を変えた翌月、58万円の売上げになりました。
その時、強く思ったのです。
キャッチコピーを制するサロンは、集客を制すのだと。
溢れているキャッチコピーのノウハウ
「キャッチコピー 作り方」 という言葉で、Google検索をすると、
たくさんのノウハウを紹介するページがあります。
よく見かけるポイントとしては、
・不特定多数ではなく、「あなた」を文章に入れる
例)あなたのサロン集客、間違っていませんか?
例)あなたの風邪は、どこから?
・具体的な効果を入れる
例)売上げを10倍にあげる、マシンガンマーケティング
例)上がらなかった腕が簡単にあがるストレッチ
・限定的な言葉を入れる
例)たった30日で売上げを10倍にする魔法のセミナー
例)毎日 限定5食の、王様オムライス
こんな感じのノウハウが、検索をすればたくさん出てきます。
それぞれ、メソッドを持っているんだなぁ〜と、感心させられます。
いいキャッチコピーを作るための、準備体操
その中で、僕は、特別なメソッドを持っていません。
「これをすれば、100%売上げが上がる」という魔法のフレーズは使えないのです。
キャッチコピーは、本当に重要なので、それぞれのサロンさんにあわせてしっかり考えて行く必要があると思っています。
そのためには、一般的なノウハウを伝えることに抵抗感があります。
「こうすればいいですよ」というノウハウが、
あなたのサロンに当てはまらないケースが多いことを、経験上感じているからです。
そこで、僕が提案しているのは、準備体操やストレッチ。
早く走れるコツではないけれど、身体を壊したりしないための準備。
結果を生み出す特効薬ではないけれど、結果を生み出し続ける基礎的なもの。
そんなことに注目しています。
コンサルティングの時によく話をする内容に、
キャッチコピーを生み出すためのストレッチ思考術があります。
これは、速攻で結果を生み出すノウハウではないけれど、
ゲーム感覚で取り入れることで、キャッチコピーを生み出すスキルを少しずつアップしていく方法です。
書いた文章に、主語を補ってみる
僕が提案しているのは、これだけ。
特別なノウハウでも、結果に必ず繋がるノウハウでもありません。
サロンのキャッチコピーに、「わたし」か、「あなた」か、
どちらかを入れて見る、
もしくは、どちらも当てはまらないということを把握する・・・というものです。
例えば、こんな文章。よく目にするようなサロンの文章です。
心地よい空間で、日ごろの疲れをしっかりほぐします
これに主語を補うと、こうなります
私のサロンの心地よい空間で、私は、あなたの日ごろの疲れをしっかりほぐします
そうすると、このキャッチコピーが結局、どこを向いているかわかるわけです。
「あぁ・・・私の自己主張が強いサロンなんだなぁ〜」と。
僕が、9ヶ月間配り続けたチラシには、こんなメッセージが書かれていました。
男性セラピストのしっかりした圧で、お疲れをしっかりほぐします
これに主語を補うと、
私という男性セラピストのしっかりした圧で、
私はあなたのお疲れをしっかりほぐします
主語が自分中心になってしまっていました。
中には、「わたし」も「あなた」も、補えないキャッチコピーもあります。
客観的コピーというものですね。
恋は、遠い日の花火ではない
これは、サントリーオールドのCMに使われた、小野田隆雄氏の作ったコピー。
http://ja.wikipedia.org/wiki/小野田隆雄
客観的な事実で、共感を生む有名なコピーです。
一瞬も 一生も 美しく。
これは、資生堂のコーポレートコピー。
http://group.shiseido.co.jp/company/message/
「あなたの一瞬も、あなたの一生も、美しく」という、
完全に「あなた」が補えるキャッチコピーです。
言葉が刺さる方向を、意識するということ
言葉は、「刺さる」という表現をされるほど、先が尖ることがあります。
「あなた」「君」「お前」「てめぇ」「おい」
みたいな、相手を表現する言葉でも、
先を削って行けば相手に不快な想いをさせることができます。
キャッチコピーに、「わたし」が補えるのがいいとか、「あなた」が補えるのがいいというのは、
一概には言えません。
けれど、少なくとも、
言葉が刺さる方向を意識する
ということは、キャッチコピー作りの基礎体力アップに繋がると確信しています。
ホームページやチラシの文章に、主語を補ってみるゲームを取り入れてみましょう。
告白には、必ず主語をつける
「わたし」が含まれすぎると、どんどん押し付けがましくなる傾向があります。
わたしは、あなたを癒してあげる
というニュアンスで伝わることは、けしていいことではないと思っています。
ただ、「わたし」という主語を必ず入れて欲しいシーンがあります。
それは、お客様に告白するようなシーン。
自分がお客様のことを、どれだけ大切に思っているか、伝えるシーンです。
プロポーズの時に、
「あなたのことを、みんな好きだって言ってたよ」
と言われても、意味がわからないわけです。
「みんながなんと言おうと、僕はあなたが好き」
と伝えるなら、意味が伝わります。
主語をぼかしてはいけないシーンもあります。
僕の制作するホームページには、この使い方が多いです。
「ここ(わたし)にあるのは、(あなたの)一生もののヒーリングです。」
東京のタントラヒーリングサロン Sacred Temple様
「(わたしは、)あなたの足のことを真剣に考えるサロンです。」
銀座のフットケアサロン Salon de PureBody様
これは、完全に「わたし」を文章に入れています。
愛知県 津島市の産婦人科クリニック 大橋産婦人科クリニック様
キャッチコピーを生み出す強力なメソッドは、僕は持っていませんが、
「あなた」と「わたし」を意識するゲームを導入することで、
サロンの集客がしやすくなるのは、経験済みです。
まずは、難しいことを考えずに、主語を補うゲームを取り入れてみてください♪